「FIRE卒業」が増加しているということですが、そこには経済的な理由だけではない人間の本質的な部分にも関係がありそうです。
今回は、「FIRE卒業」について少し掘り下げて考えてみました。
「FIRE」とはそもそもどういう状態か?
FIREとは「Financial Independence, Retire Early」の頭文字を取ったもので、「経済的自立」と「早期リタイア」を意味する言葉です。
不労所得だけで生活できる状態であり、不労所得の種類は株式の配当金、不動産賃貸収入等があげられます。
不労所得だけで生活しているので、自由な時間が多く、旅行や趣味に多くの時間を費やすことが可能です。
なぜ「FIRE卒業」が増加しているのか?
「FIRE卒業」とは、何らかの理由でFIREを続けられなくなり再就職なりに至ることですが、そこに至った要因は主に下記の二つが考えられます。
- 不労所得が支出を下回った
何らかの要因で不労所得が減少し、生活費等の支出を下回ってしまえば生活ができなくなりますので、再就職するなりして新たな収入を得る必要があります。 - 自由な時間に耐えられなくなった
FIRE達成した当初は自由な時間を楽しんでいても、時間がたつにつれて暇を持て余してしまうケースも多いです。
最も多い要因は、株価暴落等により配当収入が大幅に減少し、生活費を賄えなくなったケースです。
一方、自由な時間に耐えられなくなったケースは、すぐに「FIRE卒業」に至るわけではなく、一定の期間が経過した後に限界が生じ「FIRE卒業」に至るようです。
「FIRE卒業」とは普通の状態に戻っただけ
「FIRE」と「FIRE卒業」の違いについては、以下のような状態であると考えられます。
- FIRE → 特殊な状態
- FIRE卒業 → 普通の状態
「FIRE」とは、そもそも特殊な状態であるという認識です。
そのため、「FIRE卒業」とは普通の状態に戻っただけという見方ができます。
そもそも「FIRE」に人間は耐えられない
「FIRE」とは特殊な状態であって、そもそも「FIRE」に人間は耐えられないのです。
「FIRE」に人間が耐えられない要因は、人間が社会性を持つ動物ということがあげられます。
社会性を持つということは、社会の一員としての役割を担い、そのことを自分自身が認識している状態です。
「FIRE」の状態は、社会の一員としての役割を放棄しているともいえるのです。
そして、この状態は知らないうちに自分自身の精神を蝕んでいくのです。
「FIRE」を目指すな!人間には社会性が必要
人間は「FIRE」に耐えられないという結論から、「FIRE」を目指すべきではないと断言します。
世界の超富裕層といわれる人たちは、働かなくても全く生活に支障ないのですが、バリバリ仕事をしている人たちがたくさんいます。
やはり働くということはお金だけの問題ではなく、社会性を認識できる手段でもあるからなのです。
再就職でなくても、サイドFIRE・セミリタイアという方法もあります。不労所得を得ながら、副業としてアルバイトやプチ起業をする方法です。これならFIREの恩恵を受けつつ、社会性も保つことが可能になるでしょう。
まとめ
「FIRE」に憧れる理由は理解できますし、生活できるだけの不労所得を得ることは悪いことではないです。
しかし、人間には社会性が必要だということを認識している人は少ないでしょう。そして、そのことに気づいてからでは、手遅れになる場合もあることを認識した方が良いと思います。
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